2008年4月6日日曜日

住民の交流の場 共用施設が一役

 大型マンションには、談話室や託児所、コンビニエンスストアなど、さまざまな設備が整っている。そこでは、共用施設が住民同士の新しいコミュニティー形成に一役買っている。

 Oさんが昨年の夏に移り住んだのは、新宿区にある総戸数約300戸、築6年のマンションだ。暮らしてみて、共用施設の充実ぶりとそれを使いこなす住人の意識の高さに驚いている。

 パーティールームでは「子ども会」などの催しや住民の「合唱部」の練習が行われ、暮れの大掃除の時期にはリサイクル会社を呼んで、不用品の出張買い取りサービスの場となったりもする。ベンチのあるテラスでは「ボージョレー・ヌーボーを飲む会」「ペット交流会」などのサークル活動が頻繁に開かれている。

 ソファが7、8セット並ぶ広々としたエントランスロビーでは、小学生が宿題をしながら仕事から戻ってくる母親を待っていることも。フリーランスで仕事をするOさんは打ち合わせに使うこともあるという。

 フロントサービスもOさんのように働く主婦にとって便利だ。午前7時から午後9時まで管理人が常駐しているため、朝、クリーニングや宅配便をフロントに出してから出勤する人も多いという。

 ベッドタウンとして知られる千葉県松戸市。Kさんが暮らすマンションでは最近、コミュニティールームを「囲炉裏のある部屋」に改装した。住民が高齢化してきたこともあり、和室の方が使いやすいだろうとの考えからだ。改装後、お酒を酌み交わしたり、「ウォーキングの会」の打ち合わせが行われたり、施設利用度が格段に高まった、という。

 「災害のときなど、隣近所と親しくしていないと不安というのがみんなの正直な気持ちではないでしょうか」とKさん。

 住み心地は、建物の良し悪しや間取りの使い勝手だけで決まるわけではない。共有スペースを生かす暮らしには、住民がお互いを気遣うマナーが必要だ。マンションという地域社会で、どう暮らすかは、住み手の意識にかかわっている。

出典:読売新聞