2008年3月20日木曜日

サントリー、事業部名から「洋酒」が消える

 サントリーは4月1日付の組織改正で、「洋酒」、「焼酎」、低アルコール飲料を担当する「RTD」の3事業部を統合し、スピリッツ事業部を新設する。人員は維持して蒸留酒(スピリッツ)を扱う部署をまとめ、新商品開発などで効率化を図るのが狙いだが、1899年の創業以来親しまれた「洋酒」の文字が組織名から消えることになる。

 同社はかつて「洋酒のサントリー」と呼ばれ、作家の開高健さん(故人)らが編集に携わった雑誌「洋酒天国」(1956~64年)を出版するなど、日本に洋酒文化を根づかせた。ウイスキーなど洋酒部門の売上高は、ピーク時の83年に約6000億円と同社の全売上高の7割を占めた。その後、若者のウイスキー離れが進み、2007年は6分の1の1092億円、全売上高に占める比率も約7%と低迷し、同社の主力は清涼飲料やビールに移っている。

 佐治敬三元会長が初代所長を務め、生活文化の幅広い研究で知られた不易流行研究所の流れをくむ次世代研究所(05年設立)も「所期の目的を達成した」として廃止を決めた。

 元サントリー広報部長で「『洋酒天国』とその時代」の著作がある早稲田大学参与の小玉武さん(69)は「サントリーは洋酒という言葉を広め、飲み方など文化を発信してきた。組織名から洋酒が消えるのに一抹の寂しさを感じる」と話している。

出典:読売新聞